【三重県 熊野市】 花の窟神社

日本書紀に登場する、日本最古の神社
厳かな雰囲気の参道
御祭神 伊弉冉尊(イザナミノミコト)
御祭神 軻遇突智尊(カグツチノミコト)
7本の縄は7つの自然神(風、海、木、草、火、土、水)、3つの旗縄は三神(天照大神、月読尊、素戔嗚尊)を表す

日本書紀にみる 伊弉冉尊(イザナミノミコト)

古事記では伊邪那美命、日本書紀では伊弉冉尊と記される、日本神話の母神です。伊弉諾尊(イザナギノミコト)と共に天から下り、大八島国と言われる日本を生み出し、その後多くの神々を生み出しました。

石、土、海、風、山などの森羅万象の神を生む中で、軻遇突智尊(カグツチノミコト)という火の神を生む際に火傷を負ってしまい、そのことが要因でイザナミはこの世を去ることに。その際に葬られた場所が、花の窟神社だと言われています。

様々な願いを叶えてくれたイザナミの死を人々は悲しみ、感謝の気持ちを込めて祭礼を行うようになりました。それは、「お綱かけ神事」と呼ばれるもので、2月2日(種まきの時期)と10月2日(刈入れの時期)に行われます。

イザナミの死後についても日本神話では触れられており、愛するイザナミを失ったイザナギは、悲しみのあまりに死の原因となったカグツチノミコトを殺めてしまいます。(生まれてすぐ、実の父に殺されてしまうなんて… なかなか残酷な話です)

悲しみにくれたイザナギは、イザナミに会いたい一心で黄泉の国へ行きました。

無事に再会し、準備が整うまでしばらく待っていたイザナギでしたが、イザナミはなかなか出てきません。待ちきれなくなったイザナギは約束を破り扉を開いたところ、そこには変わり果てた姿のイザナミがいました。

その恐ろしい姿を見て逃げ出してしまいますが、怒ったイザナミはイザナギを追いかけます。

イザナギは無我夢中で地上へと続く洞窟を駆け上がり、ようやく黄泉の国との境目に辿りつきます。そして、黄泉の国へと続く洞窟の入り口を大きな岩で塞いでしまいました。

岩の向こうから、「あなたの国の人を毎日千人ずつ殺します」と宣言するイザナミに対し、「では、この国に毎日千五百人の人を生み出します」と答えたイザナギ。

これが、人間の生と死の始まりだとされています。

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