国境を越えて繋がる、プロジェクト
開発途上国での開発教育を行うNGO団体、FIDRが主導するプロジェクト。
プノンペン国立大学のドクター2名・ナース1名、日本から麻酔科のドクター2名、ウィズアウトボーダーからは口腔外科医 岩田雅裕さん・歯科衛生士 岩田宏美さんが参加しました。
4日間に渡る、プロジェクトの様子をお届けします。
診察
初日の朝。病院に到着すると、テント内には既にたくさんの患者さんが待機されていました。
今回対象となるのは、小児患者さん。口腔外科に該当する子の診察をし、手術日を振り分けていきます。
診察が終わり、10時から手術がスタート!(そのスピード感に驚きました)
手術の撮影させていただきましたので、その貴重な様子をご覧ください。
手術
プノンペン国立小児病院(以下、NPHと記載します)外科、NPH耳鼻科、ウィズアウトボーダー口腔外科の3つのチームに分かれ、手術がスタートしました。
大きな手術室では、2チームが同時に手術をしていました。
岩田さんの隣には、現地の若きドクターの姿が…。患者さんを治すだけではなく、医療技術の向上や教育も担っています。
医療設備も日本ほど充実していないので、器具を持参されていました。
日本で当たり前にあるものがないということも多いそうで、一人でも多くの患者さんの処置ができるよう、管理にも最新の注意を払われていました。改めて、日本の医療の素晴らしさや、治療を受けられるありがたさを感じました。
3日間の手術期間で、行った手術は10件。
多くの患者さんやご家族の方を救う活動となりました。
手術をして終了という感じではなく、術後の経過をみて、退院後のアドバイスも行います。
言葉が通じないことも多いので、現地のスタッフさんが通訳に。英語→クメール語→英語という感じで、知らない言語が飛び交っていました。
ふと外に出てみると、さっきまでベッドで寝ていた子がバイクに乗っていて… 驚きました!
そういったタフさが素敵で、現代の日本人には見られないものだと感じました。
みんなが笑顔になれるイベント
ミッションの傍らでは、子どもたちにフォーカスしたイベントが開催されていました。
まずは、FIDR主催のアクティビティ。
次に、ウィズアウトボーダー主催の歯磨き指導。
楽しそうな子どもたちの姿を見て、私もすごく幸せな気持ちになりました。
子どもたちにとっても、印象に残る時間になったのではないかと思います。
プロジェクトに参加した感想
今回のプロジェクトに参加してみて、綺麗事だけではない現実の大変さを感じました。
ウィズアウトボーダーの活動を知り、初めて取材させてもらったときは、「すごく素敵な活動だ!」と率直に思いました。
実績があって、活動もある程度の形となっていて、それを認めてくれる人々もたくさんいる。今回のプロジェクトも滞りなく進行されるだろうと、私自身も思っていました。
しかし現実は、文面に書かれているような綺麗な事柄だけではなく、様々な壁があったように感じました。医療の設備的なことから、言語や国民性の違い、このプロジェクトに携わることになった背景や最終的に目指しているものなど。
各団体やそれぞれの想いが交錯する中で、認識の統合をすることがいかに難しいことかを知りました。
どの仕事にも共通するかもしれませんが、「本当に好きでなければ続けられないこと」だと感じました。
社会的地位の確立や自尊心を満たすために、こういった活動をされていると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけでは難しいと思います。実際にプロジェクトに参加し、そのことがより強く感じました。
1999年からカンボジアでの活動を始められた岩田さんは、来年で25周年を迎えられます。(カンボジアと日本で、周年パーティーも企画されているようです♪)
これからも途上国の医療を支え、たくさんの子どもたちに笑顔を届ける存在となっていかれることと思います。