未来を生き抜く力を育む、せいわ保育園

岐阜県瑞浪市にある、せいわ保育園。こちらでは、地域に根差した自然保育を展開しています。

コロナ禍で構築された生活様式に伴い、価値観の変化や教育の多様化が進みました。人が本来持ち合わせている力の目覚めや向上を促す、自然保育にも注目が集まり、昨今では様々な園で導入されています。

今回は、せいわ保育園での自然保育の取り組みをご紹介します。

自然保育との出会い

保育内容に触れる前に、園長の肥田秀子先生についてご紹介します。

よろしくお願いします♪

肥田先生は結婚を機に、岐阜県瑞浪市に移りました。
1993年6月から土岐共同保育所たけのこ園での勤務が始まり、そこが今の保育の原点になったと言います。

たけのこ保育園は、当初から自然保育に取り組まれており、近隣の里山や公園への毎日の散歩を大切にしたアットホームな保育を展開されています。

約10年の間、保育士として働いた後、2002年4月にすずめっこ学童クラブを設立。瑞浪小学校の体育館の2階からスタートし、そこから市内にいくつかの学童クラブの立ち上げに携わりました。

2012年10月、社会福祉法人千寿会 千寿の里愛保育園立ち上げの一員となり、2014年4月に千寿の里愛保育園を設立。2016年4月からは園長として尽力されました。(ちなみに私が肥田先生と出会ったのはこの時で、イベント時のカメラマンとして、愛保育園を度々訪れていました)

愛保育園では少人数で個を大切にした保育はできたものの、自然保育を満喫するところまではいかなかったのだそうです。自分の本当にやりたい保育を展開するためにはどうすればいいのか、真剣に考え始めるようになった時、肥田先生の元へ、一つの話が届きました。

せいわ保育園の誕生

「園を引き継いでほしい」という、前の園長先生からの懇願でした。愛保育園でも未満児保育に尽力していた肥田先生は快諾し、2019年4月に一般社団法人せいわグループを設立されました。

当初は小規模保育事業A型としてスタートし、1年かけて基盤を作りました。

2年目から現在のような保育内容となり、当初から重視していた散歩の場所は年々広がっていき、勤務する職員も定まっていきました。

昨年には30名定員の認可園となり、子どもたちやご家族にとっての拠り所となっています。

園の特色

最も大切にされているのは、「生きる力を育む」ということです。

生きる力は非認知能力と呼ばれ、自分を大切にする力、自分を豊かに表現する力、自分をコントロールする力、人と関わる力のことで、せいわ保育園ではそれらを培う保育を展開しています。

具体的には、以下の7つの事柄を大切にしています。

  • 健康な身体
  • 食べることを大切に
  • 戸外遊び
  • 表現活動
  • 生き物との触れ合い
  • 保護者との繋がり
  • 地域との交流

子どもたちが自然の中で主体的に遊ぶことを目標とし、保育者は遊びを提供するのではなく、自分の力で遊べるような環境構成をするということを重要視しています。

また、基本的な生活習慣の自立にも尽力されており、トイレトレーニングを始める時期の早さや、給食の際に子どもたちが自分で食べようとする姿勢に、私自身も驚きました。

自立が早まることで、自己肯定感も向上します。

保育者同士が連携を取りながら、子どもたちを温かく見守る姿が印象的でした。

新しい発見がいっぱい!せいわ保育園の自然保育

せいわ保育園は1,2歳児合同の異年齢保育で、グループ担当制を用いています。子ども4人に対して1人の保育者という、他の園に比べると手厚い保育を展開されているのではないかと思います。(ちなみに規定では、子ども6人に対して1人の保育者という割合です)

年齢によって定められた指針や目標等も大切にしていますが、それに囚われることなく子どもたちの様子を見ながら柔軟に対応されています。

ある日の自然保育の様子をお届けします。

この日の目的地は、近所の川。楽しそうに歩いています
到着♩
はしごをゆっくり降りていきます
最初は控えめだった子どもたち。ですが…
自ら、流れの強いところへ
川遊び、楽しいね

水遊びを嫌がる子が一人や二人いても不思議ではないですが、泣き出したり拒んだりする子はおらず、それぞれのペースで川遊びを楽しむ姿が見られました。

月齢や季節によって行き先は異なりますが、徐々に歩ける距離も伸びていき、行動範囲も広がっていきます。暑い日も寒い日も、雨の日も外に出て、その違いを肌で感じていきます。

自然保育は園だけではなく地域の方々や保護者の理解も大切で、このような環境があるからこそ保育ができるとおっしゃっていました。

未来を生き抜く力を

今回は、せいわ保育園の自然保育についてご紹介しました。未来を生き抜く上で、必要なことが得られるのではないかと思いました。

現在は未満児保育ですが、また新たな保育園の設立に向けて動き出しているとのことです。その園は0〜5歳児までで、一時保育、学童、母子の支援など、より多方面での支援を展開される予定です。

今後の活動にも、着目していきたいと思います。

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